中部ギリシャフォキス地方にあって神託で有名なアポロンの神殿や遺跡を有する古代からの町。パルナソス山系のフィドリアデス山塊が形成する断崖の中腹標高500メートルのところに位置し、南側にはプレイストス川の深い峡谷のオリーブ樹林が広がる。人口は約3,000人と小さな町であるが数多くの彫刻等の歴史的遺産や美術品を残しヨーロッパ文化の「聖地」と呼ばれていることから「市」待遇を受けている。
デルフィ市はアテネからおよそ170キロ。ピンクや白の夾竹桃が咲き乱れ、蛇行する山腹の道をバスに揺られて3時間ほど乗ったところ。 急峻な斜面を横切る街道に張り付いて暮らしている、空気の澄んだ小さな町である。 眼下を見下ろすと、一歩踏み外したら落下してしまいそうな崖の下方には見晴るかすパノラマが開けて、深く入り組んだイオニア海のコバルト色の入り江が見える。
古代ギリシャでは、デルフィは<大地のへそ>であり、世界の中心と考えられていた。 (実際に<へそ>に見立てられていた石が博物館に保存されている)そしてここには、世界遺産である「アポロンの神殿」の遺跡がある。 紀元前6世紀頃、デルフィはアポロンの神託(予言)が下された聖地で、各都市国家の盛大な捧げものが贈られて大いに繁栄した。
古代のアテネではオリンピックの祭典が行われるようになったが、ここデルフィでは、アポロが芸術の神であったことから、音楽や舞踊の祭典「ピュティア祭」が行われた。
経緯・略歴
演出家の鈴木忠志氏の仲介により、昭和60年(1985年)年開催の「利賀フェスティバル85」に参加したギリシャ共和国デルフィ世界演劇祭委員長から、同じく日本で世界演劇祭を開催する当時の利賀村との交流の申し出があり、翌昭和61年(1986年)デルフィ市長ら3名が来村し、野外劇場にて調印式を行った。その後相互の訪問交流を重ね、平成3年利賀中学2,3年生がギリシャを訪問し、平成7年デルフィ市との交流10周年記念事業として利賀中学2、3年生20名がデルフィ市を訪問し、以降2年ごとに2、3年生を派遣している。